自分の「すまい」を建てたい方に

住む為の場所『住まい』に求める一番大切な役割は何か?と考える時、私は『巣』であるのではないかと思うのです。『巣』である住まいとしての家は、一体誰が造るのでしょうか?単なる家の形をした箱を『すまい』へと変化させるのは建築家でも大工でもありません。そこに住む人が家をしつらえる時、そこは家族の集う『住まい』へと変化していきます。住む人が『巣』を造るのです。そうであるなば、家は『買う』物でなく、『造る』場所であるとも言えます。私達建てる側の人間は、その『造る』作業の邪魔をしない家作りをする事が求められていると思うのですが、現実には、住む人が造っていく家というよりは、すでに完成された商品としての家を売るというのが一般的になっているようです。使い易い。とか、収納が充実している。とか、キッチンはどうしよう?などの細々した希望は、この『巣』となる家に『安心』があると信じているから願える希望です。私達はこの『安心』出来る場所を提供するために技術を磨くのであり、後から付け足すことの出来る商品である設備を優先して本当に必要とされる『安心』出来る家造りをなおざりにすることは本末転倒であると考えています。便利の良い、人に自慢できる新しい設備は二十年後には時代遅れになります。幾世代に渡って一つの家を守り続ける時代が必ずまたやって来ます。幾世代に渡ってその世代世代が住み続けたいと思い続けられる家を、今私達は造りたいと願います。

どんな構造で建てようと思っていますか?

住宅展示場で見る家々は見た目から中身を想像出来ないですが、鉄骨造・在来木造・ツーバイフォー・パネル式など様々な方法で建てられているのを御存じでしょうか。
見た目の設備ばかりに気をとられがちですが、
大切な財産と命を守るのは構造です。もっと構造にも目を向けてみてはどうでしょうか。


どんな家に住みたいと思っていますか?

家を建てようと思っている人にこんな質問をすることがおかしいかもしれませんが、案外、自分の建てたい家を想像出来ていない人が多いのです。
たとえば、田舎の民家にあこがれながら、テレビのドラマに出てくるモダンな居間を想像して設計士と話すと設計士の頭の中では違う絵が想像されて行きます。設計士から見れば、お施主さんの夢見たように図面にしているつもりが、お施主さんにとっては自分の言った事を理解してもらえない図が出来てしまいます。
自分の生活スタイルを確認することと、イメージを統一することをすることは大切です。


誰が設計すると思っていますか?

たとえば、病気を治すのはお医者さんでしょうか?病気を治すのは病気にかかっている病人その人であって、病院と先生と薬はその人が病気が治す手伝いをしてくれているのです。
これと同じで設計も設計士がするのですが、実は
そこに住む人がどんな暮らしを望むのかを考えなければ、家族を営み育む為の暮らしの家は手に入りません。


家の値段は何で決まると思っていますか?

現在の坪当りの単価は実は怖いものです。重要な骨組みのグレードを知りようがないのです。
隠れる工事(基礎・構造体・断熱など)は重要視されず、見える設備・機器(キッチン・バス・トイレ・収納)のみのグレードで設計と工事が行なわれてしまいます。


家の耐久性は何で決まるのでしょうか?

家を丈夫に建てる事。これだけで家の耐久性はのびません。
まだまだ使える寿命のきていない家が使い勝手が悪いなどの理由から建て替えされています。
古くなれば、それだけ修理する個所がたくさん出てきます。一ケ所修理が困難な為に修理出来ず家全体の寿命をちぢめることもあります。
リフォームし易く、メンテナンスし易いことは長く家を使う上で大切なことなのです。


住まいの安全には色んな種類があります。

台風や地震から身を守る為の箱としての機能
毎日の生活から不慮の事故が起こりにくくする設計(階段ゃ風呂等)
身体に(地球に)優しい建材を使い、そこに住まう人の健康に配慮すること。


我が社が造っているのは木造トラスの骨組みです。

戦前、学校校舎・講堂・公共建物・工場・倉庫・軍需施設・格納庫などは、みな木造で造られていました。
私達のつくる木造はこられの建物で使われていた技術です。
鉄造やコンクリート造がまだなかった時の公共工事がこのトラス技術だったわけです。つまり、不特定多数の人が使う建物としての強度があるということです。
戦後コンクリートと鉄の建物によって、この技術は衰退しましたが、私達はこの技術が今も十分必要で、かつ魅力のあるものだと信じてこの会社を立ち上げました。


トラスを利用すれば何が出来るのでしょうか?

大形の建物に使われたトラスを住宅に利用すると軸組木造で広い空間が造れます。
1フロアを間仕切りのない空間が木造で可能です。(普通このような空間は鉄骨造でおこなわれています)
ワンルームの広いLDKを木造で望むならトラスが最適です。


失敗しない設計の為に
お施主さんがすること

自分の夢に描いた家をどれだけ説明しても、100%相手に伝える事は不可能です。お施主さん御夫妻がお互いに見ないで図に書くと2通りの絵が出来上がります。お施主さん夫妻であっても、お互いに想像していることは違うのです。
わずか1~2回会っただけで相手の思いが完全にわかるなど超能力者でも無理な事です。設計期間は長い程思いが通じますし、それでも行き違いが起こります。
設計士はエスパーではありません。


失敗しない工事の為に
お施主さんがすること

信頼できる工務店に依頼すること。これが一番確実な手抜きの防止になります。
残念ながら手抜きしようと考えている相手に対してどれほど頑張って監理しても、抜け道はあるものです。
工場生産品でない家は工事中色んなアクシデントが起こります。何も起こらない工事の方が珍しいのです。


設計・施工一貫して行なうことの利点と欠点

私達の場合、一般のお施主さんには設計・施工を行なう場合がありますが、その時は、設計費だけと工事だけでお金をもらうより少しですが、安くなります。なぜかというと、自分の考えたものを造るので図面の数がダントツに少なくて済むからです。設計だけだと工事に解るように図面の数が膨大に増えますし、工事だと、設計士さんの図面を理解するために大分の時間をつかいます。
そのほかには責任の所在がはっきりとお施主さんにわかります。設計ミスであろうと、工事ミスであろうと自分とこの設計・施工なのですから逃
げようがありません。
けれど、お施主さんにとっては物が言いにくくなることもあるかもしれません。設計と工事が別れていれば工事の疑問は設計士の方に聞けますし、設計の不満は工事中に工務店との話から問題解決するかもしれません。設計の不満を設計士には言いにくいようですし、工事の疑問も大工さんには聞きにくいようです。


限られた予算の中で考える家造りとは?

夢を全て叶えたいという思いからあれも、これもと盛り沢山の希望はやはりキッチン・お風呂などの機器類や色や材料(壁はレンガが良いとか装飾タイルなど)に集中しがちで、中身は業者さんにお任せが多いようです。
基礎・骨組み・断熱などは人間で言えば服ではなくて身体にあたるところです。丈夫な骨格と健康な身体を持たずに綺麗で華やかな衣装と化粧だけしても無意味です。服は後で着替えられるように設備などの後から直せるものは後回しにして、今しなければ、家を壊すまで触れない部材にお金をかけるべきだと思うのは私だけでしょうか?


家の値段は二種類あります。

エイヤッと家を建てるのに掛かるお金は皆さん計算してますが、家は耐久消費材ではありません。住み続けるためにはメンテナンスが必要になってきます。この家の維持費を考えないで家を建てると後で後悔することも出てきます。
デザインに振り回されて、メンテナンスしにくい家を造ると維持費が嵩むことになります。建てる時は財布の紐も緩みがちですが、日々の出費は痛いもの。維持費の掛からない家を造る事は結局総額として家の価格が安く付く事になるのです。


エコとリサイクルと循環型住宅

平成元年に工事会社に就職した私(花)は余りの現場環境(有機溶剤・粉じん等)の悪さにびっくりして、「食」と比べていかに「住」が遅れているかを知ったのと、1人ではこの問題は解決しないことと、会社の中では中々この状態を改善できないことを知りました。ハウスシックの問題が本格的に起こり、少しづつですが「住」の置かれている状態はよくなってきてるようにも見えますが、まだまだ見た目のエコとリサイクルがあふれています。お施主さんの協力なしにリサイクル可能な建材を使い、循環型の住宅を造る事は不可能です。会社の方針に左右されない個人商店だからこそ出来ることが沢山あります。本当に安全なスローライフの生活を考えるお施主さんと知り合いたいと切に願っています。


本当の住み易さとは何か

宣伝に歌われて、目を見張るようなカタログの数々の機器を家に装備して、機能的な家にしたら、住み易い家になるのでしようか?それはHOUSEであって、HOMEではないと思うのです。家は機能的に働くオフィスのような空間である必要はないと私(花)は思っています。
くつろき・癒し・集う空間を造る為に必要な事は、機能だけではないと思います。


次世代へと繋ぐ家造りのために

今、流行りのものは次には時代遅れのものになります。家はずっとそこに存在するものです。家をデザインして流行の先端をいくのではなく、家をどのように住んで飾るのか、しつらえるのかをそこに住むお施主さんが主体となって考える方がずっと家に愛着も持てるものだと考えています。
そのためにも家のローンが終わる間もなく修理修理で費用が嵩むのではなく、安心して、長く住む事の出来る丈夫な家をお施主さんに提供したいと考えています。


どのように発注するのですか?

設計・施工で受ける場合→設計から施工まで一貫して我が社が行ないます。奈良周辺
骨組み設計と骨組みの施工→設計と工務店は別で骨組みだけを我が社が引き受けます。
基本骨組みの施工→規格の骨組みに合わせて設計・施工は他会社


価格はどれくらい?

全体として広いアトリエや工房を考えている方は、木造でなく鉄骨で考える事になりますが、工事費全体として鉄骨造と比べて同じくらいだと考えて下さい。(普通鉄骨造は木造よりも高いです。)
一般の木造住宅は今は機械加工のプレカットが主流ですが、それと比べたらやはり高くなります。骨組として100万~300万円の増だと思って下さい。