私たちが造りたい家

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住む為の場所『住まい』に求める一番大切な役割は何か?と考える時、私は『巣』であるのではないかと思うのです。『巣』である住まいとしての家は、一体誰が造るのでしょうか?単なる家の形をした箱を『すまい』へと変化させるのは建築家でも大工でもありません。そこに住む人が家をしつらえる時、そこは家族の集う『住まい』へと変化していきます。住む人が『巣』を造るのです。そうであるなば、家は『買う』物でなく、『造る』場所であるとも言えます。私達建てる側の人間は、その『造る』作業の邪魔をしない家作りをする事が求められていると思うのですが、現実には、住む人が造っていく家というよりは、すでに完成された商品としての家を売るというのが一般的になっているようです。使い易い。とか、収納が充実している。とか、キッチンはどうしよう?などの細々した希望は、この『巣』となる家に『安心』があると信じているから願える希望です。私達はこの『安心』出来る場所を提供するために技術を磨くのであり、後から付け足すことの出来る商品である設備を優先して本当に必要とされる『安心』出来る家造りをなおざりにすることは本末転倒であると考えています。便利の良い、人に自慢できる新しい設備は二十年後には時代遅れになります。幾世代に渡って一つの家を守り続ける時代が必ずまたやって来ます。幾世代に渡ってその世代世代が住み続けたいと思い続けられる家を、今私達は造りたいと願います。